大都会全線停車

とうらぶの二次創作描きたい

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明智小五郎事件簿Ⅶ(江戸川乱歩)

まさか乱歩はないだろと思っていたのだが、(ほぼ新刊しか読めていないのもあって)これが今年のベストかもしれない。
帯の言葉を借りれば将に「てんこ盛り」で、ミステリをミステリたらしめる要素の半分以上は揃っているといっても過言ではない。


これも麻耶氏の解説に便乗する形になるが、三谷が犯人であるかどうかの確信と肩透かしの連続だ。
推理小説を読み慣れている読者の大半が「こいつしかいないだろう」と早い段階で気づくと思うが、疑わせておいてからの「やっぱり違うのか……?」という落差がまるでエレベーターだ。
倭文子親子を氷漬けにして殺したと粋がっている場面は伏線があったので、読者としては焦りはなかったな。蝋人形の描写は明智が蝋細工に執心しているぐらいに留めておけばよかったのではないか。
「蜘蛛男」では前半に犯人が確定しているも同然なのに無能な警察に苛々したが、今回は上記のとおり嫌疑が晴れるような立ちまわりを三谷にさせているので探偵側に対する苛つきはそれほどでもなかった。最後の殺人を防げなかったのはやはり痛いが。
何度も書いているように犯人が最後に自殺して終わる結末は嫌いなのだが、今回は描写から想起される光景が美しかったのでまあいいかな……。

歯型は現代ならもっと精緻なものがとれるだろうし身元確認の一番のものだと思うが、当時としてはあまり使われていなかったのかなー。
焼け跡から発見された三谷の替え玉の骨は、現代ならDNA鑑定ですぐにバレそうだ。
まだDNAの概念すらない頃だから、そのあたりは時代の違いを感じる。

倭文子が周りに喋っていれば、周囲がもっと警戒していれば、明智が万全の状態ならば……倭文子は死なずに済んだのだろうが、予想以上に倭文子が屑だったので三谷の悲願が遂げられてもさして残念には思わなかった。
最初は「どうせ三谷の兄の逆恨みだろう」くらいに思っていた犯行動機だが、事件が解決するや否や早くも新しい男をつくるのは同情の余地がないな……。
これは倭文子が生き残るよりもラストの綺麗な情景のほうが勝っている。


「少年探偵団シリーズ」ではお馴染みの小林少年は今回が初登場となる。
先に大人向け乱歩(?)に登場してからの「少年~」のほうが発足したのは知らなかった。


和月先生の読み切りを読んだせいか、今回の文代さんは最近の和月先生の画風の洋装美人のイメージ。
描きたかったが時間が……。
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プロフィール

如意自在

Author:如意自在
某大都会県在住です。
もう勉強しなくてもいいということに咽び泣く。

本の感想:歴史ものと推理ものがメイン……のはず。
絵:少年漫画(ジャンプ)に感化されたものが多いです。

世界ふしぎ発見!マニア。2002年5月25日以降のデータは保存済み。
オカルトとかも好きです。あの胡散臭さがたまらない。

現在無双OROCHI2(PSP版)をプレイ中。
げんきっき!


以下、好きなもの。
人文科学、自然科学。このへんはストライクゾーンが広いです。

人文科学は本好きなので、そこから得た知識だったり、博物館・美術館に実際に行ったり。
歴史を好きになったきっかけは吉川豊先生の漫画かな?

自然科学のほうも博物館通いとNHKスペシャルの賜物ですね。
『生命』と『地球大進化』は名作。
短いのだと『恐竜vsほ乳類』かな。
物理・化学系は苦手ながらもあさりよしとお先生の著作で頑張って勉強してます。


少年漫画:90年代のジャンプ漫画を中心にそれ以降の作品がメイン。
ベストはるろうに剣心、次点で封神演義。BLEACHとか銀魂とかからもかなり影響受けてますね。
大元を突き詰めればドラゴンボール。かめはめ波の練習はやるよね!?

音楽:浜崎あゆみ、ALI PROJECT、Sound Horizon。
その他アニソン。

小説:司馬遼太郎、京極夏彦あたりがドストライク。
女性作家の文章よりは男性作家の文章のほうが好み。


(ΦωΦ)<猫好きです!
2014122904.jpg


好きなアニメ会社
京アニ、P.A.、A-1、J.C.、I.Gなど。


リアルでは話しかけづらい空気を醸し出しているらしい……ですがそんなことはないので、お気軽にどうぞ!

また思いついたら何か書きます。


最終更新日
2016年2月7日

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