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大都会全線停車

とうらぶの絵や漫画描きたい

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未解決事件 グリコ・森永事件 捜査員300人の証言(NHKスペシャル取材班)

事件当時、私はまだ生まれておらず、事件の詳細を知ったのは髙村薫さんの『レディ・ジョーカー』を読んでからだった。
そんな私にとって、この事件は明治や昭和の「近代史」に等しい存在だ。自分の住む世界とは地続きではなく、歴史の一部としてしか認識されていない。

『レディ・ジョーカー』を読んだのが2010年(文庫化された年)、そしてNHKスペシャルでの放送があったのが2011年。
7年以上も時間が経過していることもあって、忘れている部分も多くあり殆ど初見のような気分で読むこととなった。


21世紀を生き、そして多くのミステリ作品を読む私にとって、「なぜ○○のような捜査をしないのか」「なぜ遺留品をぞんざいに扱うのか」など、当時の捜査体制に対する疑問が山と出る。
本書でも述べられているが、DNA捜査という概念が当たり前にあり、通信機器やスマートフォンが普及している現代ならば、犯人たちはこれほど巧妙に逃げおおせはしなかっただろう。
警察の縄張り意識・縦社会に対する批判もある。今でこそ捜査が難航すればするほどこれらは改善してしかるべき問題だとすぐにいきあたるだろうが、「グリコ・森永事件」を機に見直された問題なのだそうだ。


私が物心がついたときには既に、お菓子の箱には包装がなされていた。今でもじゃがりこのように剥き出しのパッケージのものもあるが(数年前、爪楊枝を入れるという馬鹿げた犯罪が行われた)、店頭に並べられたものに細工をするのは難しい状況となっている。
窮屈な監視社会ではあるが、それをすることによって国民の安全が保障されている社会でもある。
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ケルトの歴史と文化(木村正俊)

ヨーロッパ(イギリス)において、なんだかこいつは毛色が違う――それがケルト文化に対して抱いた原初の印象だった。


ハルシュタット遺跡をはじめ、もの自体は知っていたが、その担い手がケルト人だと知るのは今回が初めてというものが多かった。
どうしても、ブリテン島の辺境やアイルランドのものという認識が強い。

第9章「ケルトの宗教と習俗」は非常に興味深く読めた。
西洋(風)ファンタジー世界が好きなら、この章はそのガイドブックとなる。
逆に、第14章「ケルト文学の遺産」はとても楽しみにしていたのだが、脱字や英語の参考文献をそのまま機械翻訳したような文章が多かったり、また、奇想天外な物語を無理矢理まとめて紹介しようとしているせいか支離滅裂な文章になったりしており、ゼミ生に書かせたのではなかろうかと勘ぐってしまうほど文章として酷かった。担当編集、校閲は仕事をしてください。それとも作家が本業でない人の文章スキルなんてこんなものなのだろうか。アーサー王の物語に関してはマロリーの著作を買ってあるので、それを読むつもり。ブルフィンチの本もあるなあ。


眠狂四郎独歩行(柴田錬三郎)

「無頼控」を一切読まずしてここまできてしまったのだが、シリーズものは順番に読む性質の私にしては珍しい。


今回は、架空戦記といってよいかもしれない。二代将軍・秀忠の直系は正史でも絶えているが、己らこそが直系だと称する風魔一族を挫いていく物語である。
脇役まで含めると非常に登場人物が多く、それだけに魅力的な人物(特に女性)も多い。
彼らと狂四郎がどのようなやりとりを繰り広げるのか、剣戟も色事も読みごたえたっぷりだ。

何度も何度も繰り返し書いてきているが、やはり戦前生まれの作家が書く時代物は最高だ。


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般若姫が好き。

営繕かるかや怪異譚(小野不由美)

新刊を読むのが遅いせいで、シーズンを逃してしまった。身も凍る季節に読んだら、洒落にならないではないか。


作中に出てくる家々ほどではないが、昔の実家が古い家だった。
夜中に『屍鬼』を読んだ中学生時分は、トイレに行くのさえ恐怖だった。擦りガラスに映る影や家鳴りに怯えながら、家の端から端にあたる自室と厠への往来をしていたものだ。
祖母の家も、建て替え・建て増しこそしているがかなり古い。作中の6編中2編は祖母の家をイメージしながら読んだ。

家は、生活空間は、いつもいるせいか何かが居着いているように感じる。古い家なら尚更だ。
飼っていた猫が部屋の隅の虚空を見つめていたのは何だったのだろうか。母の布団がぐっしょりと濡れていたのはなんだったのだろうか。――挙げればきりがない。
私は今、近代的な造りのマンションに囲われ、安全に暮らしている――ようにみえる。

怪異を排撃するのではなく、怪異に対する「ゆとり」をもたせてやる。そうすれば、彼らは何もしてこない。
何しろ生者は、「家」において新参なのだから。


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ねこのつめあと。

「神国」日本 記紀から中世、そしてナショナリズムへ(佐藤弘夫)

久しぶりに日本史関係の書籍を通読した。在学中は、趣味で読む本くらい専攻とは関係のないものにしたかったので、触れずにいた。


冒頭で述べられているとおり、多くの現代日本人が思い浮かべる「神国」とは、蒙古襲来に端を発する自民族優越主義思想だろう。
では、それ以前の「神国」概念とはどのようなものだったのか、そして蒙古襲来当時を含む中世において、われわれ日本人は「神国」をどのように認識していたのか――を主に説くのが本書である。

古代の神国思想として真っ先に思い浮かぶのは、本文中でも紹介されている、『日本書紀』の仏教伝来のくだりだろう。「西蕃神」であった仏は、その後またたくまに日本で受容され、ついには「神国」感を形成する一端を担うまでとなった。
日本に日本の神々の加護があるのは当然だと考えるだろうが、古代中世の人々にとってそれは、仏の垂迹にほかならなかった。仏がこの粟散辺土に現す姿が神であったというたったそれだけが、神国の神国たる所以だった。


個人的には昭和の行き過ぎたナショナリズムがいかにして成立したかということに重点を置いた内容を期待していたのだが、それは終章で述べられるのみにとどまっている。
だが、今まで「蒙古襲来」と「明治以降の天皇主権国家」という二つの点からしか「神国」についての想起ができなかった私にとって、本書は途轍もない啓蒙の書となった。
日本史学専攻の身から言わせてもらうと、史料の原文も併記してほしかった。書き下しや訳だけでは、やはり物足りないし、著者のバイアスがかかった解釈かどうかを判断できない。最初の発表形式が新書という万人向けの媒体だったので仕方のないことなのか……。まあ、この本も文庫本だしな……。

昨今は、一億総白痴化かと思われるほどに歴史無知な国民が増えていると感じる。それは自国の歴史のみにとどまらず、世界史分野においてもそうだ。歴史教育の質の向上を望む。

ご案内

プロフィール

如意自在

Author:如意自在
某大都会県在住です。
もう勉強しなくてもいいということに咽び泣く。

本の感想:歴史ものと推理ものがメイン……のはず。
絵:少年漫画(ジャンプ)に感化されたものが多いです。

世界ふしぎ発見!マニア。2002年5月25日以降のデータは保存済み。
オカルトとかも好きです。あの胡散臭さがたまらない。

現在無双OROCHI2(PSP版)をプレイ中。
げんきっき!


以下、好きなもの。
人文科学、自然科学。このへんはストライクゾーンが広いです。

人文科学は本好きなので、そこから得た知識だったり、博物館・美術館に実際に行ったり。
歴史を好きになったきっかけは吉川豊先生の漫画かな?

自然科学のほうも博物館通いとNHKスペシャルの賜物ですね。
『生命』と『地球大進化』は名作。
短いのだと『恐竜vsほ乳類』かな。
物理・化学系は苦手ながらもあさりよしとお先生の著作で頑張って勉強してます。


少年漫画:90年代のジャンプ漫画を中心にそれ以降の作品がメイン。
ベストはるろうに剣心、次点で封神演義。BLEACHとか銀魂とかからもかなり影響受けてますね。
大元を突き詰めればドラゴンボール。かめはめ波の練習はやるよね!?

音楽:浜崎あゆみ、ALI PROJECT、Sound Horizon。
その他アニソン。

小説:司馬遼太郎、京極夏彦あたりがドストライク。
女性作家の文章よりは男性作家の文章のほうが好み。


(ΦωΦ)<猫好きです!
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好きなアニメ会社
京アニ、P.A.、A-1、J.C.、I.G、動画工房、SILVER LINKなど。


リアルでは話しかけづらい空気を醸し出しているらしい……ですがそんなことはないので、お気軽にどうぞ!

また思いついたら何か書きます。


最終更新日
2018年3月18日

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