大都会全線停車

とうらぶの二次創作描きたい

Entries

有頂天家族 二代目の帰朝(森見登美彦)

やっと読めたぞと虎のように雄叫びを上げたい気分だ。
残念ながらアニメ2期は見られない地域だったので、例の如く放送直前に慌てて読むということはしなかった。それがこの遅れである。

お馴染みの面々を安心して見つつ、新顔に胸を躍らせ、そして何もかもが娯しき鍋の底に沈んでゆく。
これを面白いと言わずして何を面白きことと言おうか。
満天下の作家よこうあるべしという文章を見せつけられ、廿一世紀も捨てたものではないと安堵する。


ああ、楽しい。


アニメ2期がBS11などで再放送されるのを待つか、小金を貯めてBlu-rayBOX上下巻を買うか迷う。
余談だが、私は家では狸と呼ばれている。
スポンサーサイト

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 蝶の足跡(太田紫織)

最近は頓にシリーズのなかで時間が進んでいるように感じられて、読み進めるのが怖くもある。


第壱骨では、正太郎が遺体に躊躇しない姿勢を見せた。
磯崎先生の制止を振り切って確認しようとする場面は鬼気迫るものを感じ、なんだか私の知っている(と勝手に思っている)正太郎がどこか遠くへ行ってしまったような気がした。
そして、将来の選択を下すところも――。あなたが、あなたでなくなるその瞬間。

善悪入り混じる第弐骨では、まだまだ自分の『正義』をもていないでいることに安堵する私がいた。やはり子どもなのだと。
それでも、行動は段々大胆になってきているが。


このシリーズを読んでいて常々抱いていた違和感の正体がわかった。
起こっている出来事は殺人だの事件だのと日常とはかけ離れているのに、それが普通の視点(正太郎)で語られ、そして普通の風景のなかで起こっているからだ。
例えばファンタジーなら、本格推理物なら、日常とは分離しているので何が起ころうが「物語の出来事」として処理するだろう。
しかし、日常のなかに非日常性が垣間見えるため、ある種のグロテスクさがもたらされる。
この話の舞台は現代の日本なのだと再認識したとき、それは鎌首を擡げるようにしてのっそりと姿を現す。


覚悟していたこととはいえ、ばあやさんがいつまでも健在ではいられないことが明示されて悲しい。
正太郎にも、九条家にも、幸せな時が進みますように。

明智小五郎事件簿Ⅺ(江戸川乱歩)

引越しに忙殺され、殆ど読み進められないことが続いたが、漸く落ち着いてきてまとまった時間を確保できるようになった。
Blu-rayレコーダーも新調して、残り容量が少ないことにキリキリすることも(たぶん)なくなるだろうし!


今回は前巻と同じく、前半は少年探偵団もの、後半には大人向けの作品が収録されている。
やはり、大人向け作品のほうが読んでいて面白いなあ。まあ、ですます調の文章に慣れていないというのもあるのだが……。
解説によると、戦前、推理小説が統制されるぎりぎりの状況で書かれたものだそうなので、乱歩にしてはエログロが控えめとなっている。エログロ乱歩もよいが、私はやはりフーダニットが好きだなあ。
謎を感じさせる洋館、ぎこちない一家……そんななかでのフーダニットなど最高ではないか!
まあ、犯人当てパートに差しかかる前に消去法でわかってしまうのが残念だが。
むむぅ、やはり新本格を読むしかないのか。

一年かけて刊行された本シリーズも、残すところあと一冊のみ。読むのは恐らく来月になるだろうが、本格の酒に酔えることを願って。

神の時空 鎌倉の地龍(高田崇史)

溜まり続ける新刊を前に屈すること4カ月、やっと待望の高田さんの新シリーズを読めた。
『カンナ』から顕著になっていたファンタジー色を引き継ぐ形で、妖怪や幽霊が実在する設定となっている。


政子と頼家の確執に関しては、『鎌倉の血陣』を読んでいたので「やはりここでもその説を出すか」といったところ。
今となってはDNAも残っていないので何とも言いようがないが……。
頼朝の落馬が仕組まれたものだったというのは以前何かのテレビで見た気がする。
私は齢十二にして、源氏が北条氏の傀儡と化していたことを見抜いていたぞ!

史料の解釈で気にかかることが一つ。
文庫版110ページで「なまじひに」が議論されていたが、漢字字典の「憖」の項を引くと全く逆のことが(したいと思う)書かれている。『吾妻鏡』は当然漢文で書かれた史料であるから、これは素直に頼家の病気が回復してほしいという解釈でよいのではないだろうか。
うーむ、書き下ししか読まないことの弊害だな。歴史を題材とし、しかも史料の解釈を入れてくるのなら原文に触れるべきだ。


陽一くんが人間ではないということはかなり早い段階から気づいていたが、幽霊なのだと思っていた。
ヌリカベは想定外だ。
福来といえば明治の千里眼事件の福来博士が思い当たるが、意味のある名づけなのだろうか。

摩季ちゃんの司法解剖を執拗に拒絶していたのは死反の術を行うためかあ。
ここまでファンタジー的だとは予想していなかったな。流石にこのシリーズは『QED』や『カンナ』とは繋がっていないか……?

忍者の兵法(中島篤巳/角川ソフィア文庫)

久方ぶりにまともに歴史に触れた気がする。
それも、憧れの中世――

落乱で既に紹介されている術や忍器については、おさらいのようなつもりで読んだ。なかには術の解釈に違いが見られるものもあったが。
著者は「胸躍る内容には乏しい」と記しているが、創作のフィクション作品とはまた違ったふうに胸が躍った。仮令史実であろうと、私には遠い過去は物語なのだから……。
聖徳太子が「志能便」を使ったというのは有名な話だが、同時代に既に正史に他に記録が残っているのは初耳で、今まで注意して読んでいなかったと思い知らされた。太子伝説の光や強し。
南北朝時代のあの悪党から発展していったというのも言われてみればそうだが、私のなかには戦国中期の甲賀伊賀がはじまりというのがあって、それよりも前には遡りがたかった。何もないところから生まれるはずはないとわかっているのだが。「忍者」「忍び」という呼び名に捉われすぎていたのかもしれない。それこそ平安時代の草や狐のような存在は、もうとっくに知っていたのだ。

落乱のせいもあってか、忍者といえば戦国時代のイメージが強い。『万川集海』にしろ『正忍記』にしろ後代(江戸時代)になってから書かれたのは知っていたが、いまだ戦国の余風残る時代をイメージしていた。ところが『正忍記』に至ってはとうに綱吉治める文治政治に突入しているのが意外だった。
それに伴い、最終章では儒教的考えを反映した心理について述べられている。本書のなかでも言及されていたが、泰平の時代だからこそ実戦とは関係の薄い心構えが語られたのだろう。

著者の意図に反する悪い読者なのだが、私は落乱の副読本として本書を読んだ。
つまり、忍術の秘伝書を読んだからといって道徳的考えを改め心を新たに生きようなどとは思っていない。
時代も情勢も、個人も国家も関係ない。面白い「物語」を求めているのだ。

ご案内

プロフィール

如意自在

Author:如意自在
某大都会県在住です。
もう勉強しなくてもいいということに咽び泣く。

本の感想:歴史ものと推理ものがメイン……のはず。
絵:少年漫画(ジャンプ)に感化されたものが多いです。

世界ふしぎ発見!マニア。2002年5月25日以降のデータは保存済み。
オカルトとかも好きです。あの胡散臭さがたまらない。

現在無双OROCHI2(PSP版)をプレイ中。
げんきっき!


以下、好きなもの。
人文科学、自然科学。このへんはストライクゾーンが広いです。

人文科学は本好きなので、そこから得た知識だったり、博物館・美術館に実際に行ったり。
歴史を好きになったきっかけは吉川豊先生の漫画かな?

自然科学のほうも博物館通いとNHKスペシャルの賜物ですね。
『生命』と『地球大進化』は名作。
短いのだと『恐竜vsほ乳類』かな。
物理・化学系は苦手ながらもあさりよしとお先生の著作で頑張って勉強してます。


少年漫画:90年代のジャンプ漫画を中心にそれ以降の作品がメイン。
ベストはるろうに剣心、次点で封神演義。BLEACHとか銀魂とかからもかなり影響受けてますね。
大元を突き詰めればドラゴンボール。かめはめ波の練習はやるよね!?

音楽:浜崎あゆみ、ALI PROJECT、Sound Horizon。
その他アニソン。

小説:司馬遼太郎、京極夏彦あたりがドストライク。
女性作家の文章よりは男性作家の文章のほうが好み。


(ΦωΦ)<猫好きです!
2014122904.jpg


好きなアニメ会社
京アニ、P.A.、A-1、J.C.、I.Gなど。


リアルでは話しかけづらい空気を醸し出しているらしい……ですがそんなことはないので、お気軽にどうぞ!

また思いついたら何か書きます。


最終更新日
2016年2月7日

pixiv

最新記事

Lc.ツリーカテゴリー

カウンター